読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年7月発行 広報よみたん / 40頁

【見出し】パラシュート開かず 訓練施設外に降下 補助用でフラフラ「いつか大事故に・・・・」

《在沖米軍特殊部隊がことし27回目の訓練》
【読谷】在沖米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)は十七日午前七時四十五分から雨まじりの強風の中、読谷補助飛行場で今年二十七回目のパラシュート降下訓練を実施した。この日は六人が降下したが、このうち、一人の隊員の本パラシュートが開かず、これを切り離し、補助パラシュートで降下した。強風に流されてこの隊員は訓練施設外東側四十㍍の畑(国有地)に降下した。また、本パラシュートも施設外東側二百㍍の農道に落下した。現場では、農家が牧草刈りなどをしていたが、幸い、ケガ人はなかった。同村では、今年になって、今回を含め、訓練施設外への降下は三件(四人)。村民らは「このままでは、いつかは大事故につながる」と怒りを見せている。
 今朝の読谷補助飛行場は、雨まじりの強い西風が吹いていた。こうした中で、米軍は訓練を強行。七時四十五分に六人がCH46ヘリから高々度装備で降下した。しかし、このうちの一人のパラシュートが開かず、急降下。この隊員は緊急用の補助パラシュートを開いた。だが、補助パラシュートも完全には開かず、フラフラと訓練施設外の畑に流された。この隊員が施設外に降下するのは、監視行動にあたっていた村の基地担当職員、県統一連、農家など多数が目撃した。
 近くで牧草刈りをしていた同村伊良皆一七九、松田正太郎さん(六〇)は「パラシュートが降りるのを見ていたら、六人のうちの一人のパラシュートが開かず、急降下。突然、”バーン”という大きな音がして補助パラシュートが開いた。そして、風に流されて自分たちの近く(約五十㍍)に降りた」と状況を語った。この米兵が降下したのは訓練施設から約四十㍍東側にはずれた畑(国有地)。また、本パラシュートも施設外の農道に落下。
 米軍が来て、このパラシュートを回収しようとして、監視の村職員らと「調査が終わるまで待て」と押し問答する場面もあった。村職員らが写真撮影したあと、米兵二人がパラシュートを回収した。
 現場近くで抗議と監視行動をしていた大湾近常村飛行場転用対策課長は「毎週のように施設外に降下しており、このままでは大きな事故が起きる可能性がある。パラシュートの降下演習の中止を強く要求していく」と怒りを見せていた。

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。