読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年7月発行 広報よみたん / 41頁

【見出し】訓練場外にも降下 抗議団、車で入り口4カ所封鎖 米軍、能動から突破 午前中に31人降下

《パラシュート滑走路修復 初のダブルを実施》
【読谷】在沖米軍は三十一日午前七時四五分から読谷補助飛行場でパラシュート降下訓練と、滑走路損壊査定修復訓練のダブル演習を実施した。七時四五分にCH-53大型ヘリから降りた米兵一人は、いきなり訓練施設外の黙認耕作地に降下。山内徳信村長をはじめとする抗議団の怒りをかった。ダブル演習はこれまでにも何度か通告されたが実際に同時に強行されたのは今回が初めて。抗議団は「演習中止を求める村民に対する挑戦だ」と反発している。
 読谷補助飛行場では午前七時過ぎから滑走路に通じる四カ所の入口を抗議団の自家用車などで封鎖した。しかし米軍は広い飛行場の農道から入り演習を強行した。
 七時四五分に一人が降下したが西風に流されて滑走路東側の訓練施設外の五十㍍の畑に降りた。抗議団がこの米兵のところにかけつけたが米兵は逃げるように施設内に立ち去った。
 一方、午前九時過ぎからは滑走路損壊査定修復訓練も強行した。山内村長らは米軍の現場責任者に対し「米軍は滑走路修復訓練はベース内でやるーと言ったのになぜここで訓練するのか、ただちに演習をやめよ」とせまった。しかし米軍はこれを無視。嘉手納署や県警機動隊の警備の中、訓練を続けた。抗議団は四カ所に分散したため大きな混乱はなかった。

《読谷 滑走路損壊査定訓練も》
 在沖米軍は三十一日、読谷村の補助飛行場でパラシュート降下訓練と滑走路損壊査定訓練を実施した。ダブル演習は今回が初めて。パラシュート降下訓練は午前七時四五分、CH53大型ヘリからまず一人目が降下、いきなり提供施設外へ着地する事故が発生。その後も訓練は続行され、約十分おきに七人単位で次々とキビ畑などに降下、八時二十八分までに三十一人が降下し、この日の訓練を終了した。また、地上では滑走路損壊査定訓練が同日午前八時半に開始され、模擬爆弾、人口クレーターを設置し、約三十人の米兵が核攻撃を想定した訓練を実施した。
 在沖米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)は、この日、ことし二十八回目のパラシュート降下訓練を実施した。CH53大型ヘリから、降下した一人目のグリーンベレーは、提供施設内から東へ五十㍍のキビ畑へ降りた。山内村長以下村職員は落下地点へ急行した。落下傘を丸め、型に背負った米兵がキビ畑から施設内へ走り去り、待機していた軍用ワゴン車に収用された。
 その後も降下訓練は続行され、約十分おきに七人単位で次々と滑走路や提供施設のキビ畑へ降下。大型ヘリが滑走路上を旋回し、爆音に包まれた。八時二十三分までに合計三十一人が降下、訓練を終えた。
 また、滑走路の南側では、的の化学兵器による攻撃を想定してNBC(核・生物・化学)戦対応訓練を同時に実行した。迷彩色の軍服を着た空軍兵約三十人が、模擬爆弾、人工のクレーターを滑走路上十一カ所に設置し、核攻撃に対応する実践訓練を行った。その後訓練は、約三時間続けられた。
 読谷村の地域住民約七十人は、同訓練場への入口四カ所に分散、同訓練場への入口四カ所に分散、抗議行動を行ったが大きな混乱はなかった。夏休み最後の日に行われたダブル演習で、盆あけの演習激化強行。武装した兵士やMPらが訓練場を囲み、あたりは一層、きな臭さに包まれた。

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