《読谷補助飛行場 警備なしで6人降下》
【読谷】在沖米軍は二十七日午前八時から実施する予定だった読谷補助飛行場でのパラシュート降下訓練を午前七時半、強風のため中止すると発表したが、海兵隊MPや嘉手納署員が警備から引き揚げた後、午前八時二十分過ぎに抜き打ち的に訓練を実施した。立ち入り規制がないまま上空に姿を見せたOV10ブロンコ観測攻撃機二機から午前八時二十七分、三人ずつの計六人のマリン兵が降下。六人全員がふだんは規制が敷かれる区域外(提供施設内)に舞い降りるミスが起きた。降下中、マリン兵のヘルメットが外れ、演習区域外のサトウキビ畑に落下するトラブルもあった。
目撃者からの知らせで現場に駆けつけた村の担当職員らはカンカン。「いったん中止を言い渡し、警備を解いた後に突然訓練を行うとは危険きわまりない」と、米軍に抗議する方針だ。
山内徳信村長の話
中止の指示が出て、しかも強風下であるにもかかわらず訓練を強行するごときは、全く村民をぐろうするもの。現場は通行人や農耕者が多く、万一ぶつかれば惨事になりかねない。演習区域外に落ちたマリン兵のヘルメットを押さえてあり、これらをもって那覇防衛施設局などに厳重に抗議したい。
《山内村長らが施設局へ ヘルメット示し怒り 降下訓練》
在沖米軍が二十七日午前、一同は中止したパラシュート訓練を警備態勢も敷かずに強行した県で二十八日午前、読谷村の山内徳信村長ら抗議団十人が那覇防衛施設局を訪れ、中止連絡後の訓練実施とヘルメットの落下事故で抗議した。
これに対し施設局の大田長秀施設調整官は「大変遺憾である」とした上で、「きのうは陸軍と海兵隊が訓練を予定していた。午前六時ごろから現場で気象観測した陸軍は、午前七時ごろ天候を理由に中止を決定した。しかし、海兵隊の作戦本部に連絡をしなかったため、海兵隊MPらが警備を解いたあと、海兵隊の実施部隊が午前八時ごろにきて、気象観測をしたあと訓練を実施した」と説明した。
ヘルメットの落下については詳しい説明はなかった。