読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年7月発行 広報よみたん / 46頁

【見出し】米兵一人が民家に落下 3人は黙認耕作地へ 開始通告時刻を無視

【読谷】在沖米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)は訓練開始通告時刻を無視して二十二日午前七時三十五分から読谷補助飛行場でパラシュート降下訓練を実施したが、同五十分に三回目の降下の際、米兵一人が読谷村楚辺の東恩納ハツ子さん宅の庭に落ちる降下ミスが発生した。読谷村は「風もほとんど無いのに事故が起きており、訓練の度に事故が起きる可能性が強い」と事態を重視。午後にも那覇防衛施設などに厳重に抗議するとともに同補助飛行場の即時返還を求める申し入れを行う。
 米兵が降下したところは読谷補助飛行場南側の崖(がけ)下にある民家で、米兵は庭に落下した後、パラシュートを抱え塀を乗り越えて去った。途中、現場保存のため駆け付けた読谷村役場職員と十分近く押し問答となった。その後、嘉手納署員と落下現場を確認した後、ワゴン車で立ち去った。ミスがあった三回目に降下した残りの米兵三人も民間地域近くの黙認耕作地に落ちた。
 同訓練場での降下ミスは一九九一年三月にも発生。その時も風がほとんど無かったことから、読谷村の安田慶造助役は「狭い訓練場の周りを民家が取り囲んでいる。訓練場としては全く不適当な所だ。一日も早く返還してしてほしい」と怒りをあらわにしていた。
《抗議決議を採択へ》
【読谷】二十二日午前、読谷補助飛行場で発生したパラシュート訓練降下ミスを重視した読谷村議会(儀保輝和議長)は同十時から緊急議員全員協議会を招集し、今後の対応を検討している。議員らは米兵が落下してきた読谷村楚辺の民家を視察した後、抗議決議を採択する臨時議会を開催した。

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