《読谷村民大会実行委代表》
村民五千人が参加した「日米両政府による普天間飛行場返還合意に伴う読谷村域への新たな飛行場建設に反対する村民総決起大会」実行委員長の山内徳信読谷村長ら実行委代表十人は二十日午前、米国総領事館を訪ねて大会決議を手渡し、計画が持ち上がっている嘉手納弾薬庫地区への新たな飛行場建設計画の撤回を求めた。
この日の要請は九日の村議会決議文を手渡した後、村民大会の大会決議について要請した。要請を終えた山内村長によると、米国総領事館側はジョン・O・マーハー領事が対応。計画の撤回要求に対しては「移設場所はまだ確定的ではなく、複数の候補地が検討されるだろう。決定については多角的な調査、それに伴う日米間の協議、地元との話し合いが必要だろう。要請の趣旨については東京とワシントンに伝えたい」と答えたという。
大会決議は、普天間飛行場の全面返還を歓迎する一方、その機能を県内の米軍基地に移設、統合することに「戦後五十年余にわたり重圧の下で生きてきた県民にとって耐え難い苦痛を長期的に強いるもので、県民の人権、生活権を無視し、心からの怒りと憤りを感じる」と糾弾。その上で「新たな飛行場建設の押しつけに、村民は自ら自然環境を守り、子供たちへの明るい未来を築くため、新たな闘いの第一歩を踏み出すことを決意する」と建設計画の撤回を求めている。
村民代表らは総領事館に続いて那覇防衛施設局にも決議を手渡したほか、二十七日に上京し、二十八日までの日程で関係省庁を回り、新たな飛行場建設計画の撤回を申し入れる。
【東京】読谷村の山内徳信村長は二十七日、普天間飛行場全面返還に伴い米側が同村域への新たな「ヘリポート」建設を求めているとされる問題で、各政党に計画撤回を求める要請を行った。
十九日の村民総決起大会の決議に基づく要請行動で、嘉手納弾薬庫地区の読谷村と恩納村にまたがる一帯が、千五百㍍の滑走路付き「ヘリポート」の候補地とされていることに抗議。対象地が文化、児湯行くの場でありリュウキュウマツが繁茂していることも説明し、計画撤回を訴えた。
自民党の山崎拓政調会長は、米軍からまだ正式な提示がないことを説明、「要請は脳裏に刻んでおく」と述べた。
社民党の村山富市党首は、「国際情勢的にも新たな基地建設は適当でない」との村側の主張に理解を示した上で、「SACOの最終報告に向け、関係団体と本音で議論を尽くす必要がある」と述べた。
新進党の渡部恒三総務会長は「基本的には県や市町村長の判断が重要」との見解を示した。
山内村長は要請先で、国内移転に限定せずグアムなどに移すことも検討すべきと提案した。記者団に対し、「日米両政府が建設を強行するなら、森林伐採などに関連した法的手段も辞さない。村民レベルの運動から県民、国民規模に広げていく」と主張。これ以上反基地感情が高まれば、楚辺通信所を上回る困難な問題も出てくると指摘した。
二十八日には、防衛施設庁や官邸など関係省庁にも要請を行う。