読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年10月発行 広報よみたん / 2頁

【見出し】県民投票 有権者の9割が”基地ノー”

 「日米地位協定の見直し及び基地の整理・縮小」の是非を問う、全国初の県民投票が九月八日に実施され、有権者の圧倒的多数の県民(表参照)が明確に「基地ノー」の意思を表明しました。
 かつて沖縄の米軍基地は、沖縄戦直後、米軍により「銃剣とブルドーザー」によって強制的に建設され、復帰後は日米安保条約と地位協定の大義名分の下に日本政府により強制使用され、今日においてもたお国土の○・六%にすぎない沖縄に、全国の七五%の過重な米軍基地を押しつけました。このため、沖縄は陸地ばかりでなく海も空もほとんどが自由に使用できず、しかも広大な米軍基地から多発する事件・事故は、県民の基本的人権を脅かし、本県の産業・経済発展の大きな阻害要因となっています。
 こうした現実に対して、今までに米軍基地や地位協定の問題について県民意志が直接問われたことはなく、戦後五十一年目にして初めて、県民の意志を主体的に日米政府に示すことができました。
 今度の県民投票は都道府県レベルでは初めてのことであり、また日本の民主主義の原点を問うものでありました。
 村土の四七%を米軍基地に占められている本村では、その県民投票を成功させるべく、七月三十日に「読谷村県民投票実施本部」(本部長当真嗣清助役)を発足したのをはじめ、翌月の七日には村内三十四団体で構成する「県民投票を成功させる読谷村民会議」(議長山内徳信村長)を結成し、精力的に広報・啓発活動を展開してきました。
 その主な活動には、広報車による、「村内広報」を八月八日にスタートさせたのをはじめ、二十日には「老人の集い」を開催、その翌日には沖縄県県民投票推進室とタイアップした「沖縄・21世紀へのメッセージ事業」、二十四日には「村民総決起大会」(村福祉センター)を開催。また、八月二十二日の早朝から比謝橋付近の街頭で、道往くドライバーに投票を呼び掛ける「朝立ち行動」(午前六時~八時まで)を実施し、その行動は投票の日まで継続されました。
 九月八日の県民投票では、基地の整理・縮小や日米地位協定の見直しに四八万二千人余の有権者が「賛成」し、有権者の八十九%が日米両政府の基地施策に拒否(基地ノー)を表明。県民の総意として”平和で豊かな県づくり”への進路を明確にし、沖縄の基地問題を通して全国民に安保条約の存在について考える機会(材料)を与えたのではないだろうか。

※表 『県民投票結果』

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