読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年11月発行 広報よみたん / 13頁

【見出し】読谷の自然(8) =鳥類編= <留鳥> シロガシラ (ヒヨドリ科) 伝統の技が織りなす美を堪能 <企画展 読谷山花織展>

 村内の住宅地や農耕地など広い範囲で見られるヒヨドリの仲間の鳥です。頭部全体は黒色ですが、頭頂部に白い部分が目立つことから「シロガシラ」と呼ばれています。
 この鳥はもともと中国や台湾に分布し、県内では八重山地方などにもすんでいます。ところが、一九七六年には沖縄島南部の糸満市で初めて生息が確認され、以来沖縄島北部に向かって分布を拡大してきて、現在では名護市まで見られます。この鳥は宮古諸島にはいないため、沖縄本島では人が持ち込んだものが逃げだし、野生化したもの(帰化鳥)と考えられています。
 沖縄島南部ではトマトやインゲンなどを集団で食害するため、農作物への被害が多く、農家にとっては頭の痛い問題です。ですから、安易に飼い鳥を逃がすことは後で大きな問題になることがありますので注意が必要です。
文:県立博物館学芸員 嵩原建二

 ”織りの技と美”をテーマに、十月十一日~十一月八日の日程で企画展「読谷山花織展」(主催・村教育委員会)が村立美術館で開催されました。
 読谷山花織は十四世紀後半、琉球の大交易時代に東南アジアから伝わってきたといわれ五百年の歴史を誇る。花織の特徴は、細かな点と線と幾何学模様の組合せで、三種の紋様が可憐な花を描き出す。去る大戦や後継者不足などの様々な理由で一時途絶えましたが一九六四年(昭和三九)に復興され、これまで伝統工芸品として織り続けられています。
 そして一九七五年(昭和五〇)に県指定無形文化財の指定を受け、その翌年には通産大臣指定を受けたのに伴い、本村の伝統工芸品として全国的に知られるようになりました。
 十月九日午前に行われたオープニングセレモニーでは、多くの関係者らが集う中、出品者を代表して県指定無形文化財保持者・与那嶺貞さんのあいさつが行われました。
 館内には県指定無形文化財保持者五人や伝統工芸士七人の県内第一人者の方々が、丹精込めて織りあげてきた作品六十八点(着物や着尺、ミンサー、ウッチャキ、壁掛、暖簾)を展示。草木染めからはじまる藍色を基調とした読谷山花織は「銭花、風車、扇花」の三つの花を基本に、直線や曲線を高度な匠の技と感性で織り交ぜ、花のように美しく仕上げられている。
 素晴らしい花織の技法に鑑賞した人々は一点一点の作品を食い入るように見つめ、深い感銘を抱いていました。

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。