本村では現在、「第三次総合計画基本構想」の策定作業に取り組み、作業にあたっては村民の声を反映していくため、主要な計画部門ごとにフォーラム(討論会)を開催して進めています。
この計画部門の中に産業部門があり、産業部門は往々にして物産開発やリゾート開発が中心になりがちですが、今や経済開発だけでなく、生活の向上や環境保全等が重要視される時代となっていることから、本村では今回、基本構想策定へのステップとして十一月二十二日、『地域からの仕事づくり』をテーマに第一回のフォーラムを開きました。
読谷村商工会館で開かれたフォーラムには、役場職員や商工業関係者など約四十人が参加する中、フォーラムでは基調講演やパネルディスカッション(公開討論会)が行われました。
基調講演には、仕事づくりと生活改善・環境保全とを一体にした複合的な開発を実践している長野県栄村の(有)環境さかえ・島田伯昭代表が講師に招かれました。
講演の中で島田氏は「雪国では半年余にわたってほとんど仕事ができず、仕事がないため都会からのUターン者も少なく、村の人々(お年寄り)は不安な生活をしてきた」と厳しい豪雪地帯の状況に触れた後、「私が都会から村へとUターンしたのは、村に帰って自分の持っている能力とか技術とかを仕事を通して表現し、生きることの証を求めるため」と唱え、その中で着眼したのが「生活の中で連綿と作り続けられてきた生活品(蓑、ゾウリ、ワラジ)に付加価値をつけて商品化しようと考え、お年寄りらにネコツグラ(藁で作った猫の寝床)を作らせ、田舎百貨店を開催したところ大反響を呼び、生産が間に合わないほどに注文が殺到した」と紹介。「それがもとでお年寄りらに手仕事や生きがいが生まれ、村が元気になり、心の産業興しのきっかけとなった」と強調。その上で「地域を起こすには地元の素材を活用して物づくりをすることが大事で、その素材にいかに付加価値をつけるかがポイント。自分の住んでいる地域を大事にし、良い環境を築くことが重要」と指摘しました。
引き続き行われたパネルディスカッションでは、(株)地域計画研究所の田島利夫氏をコーディネーターに、自らが百姓と名乗る玉城初彦氏が「いも掘り遠足と私」を演題に、与久田満残波ゴルフ場総務課長が「地元の地元による皆のゴルフ場」、やちむんの里北窯の松田米司氏が「北窯のめざすもの~生活・仕事・陶芸~」をテーマに実践活動の発表が行われ、活発な質疑・意見が交わされました。