読谷村古典音楽同好会の主催による初のチャリティー公演・歌劇「奥山の牡丹」(知花行雄実行委員長)が十二月十五日、村総合福祉センターで開かれ、満員の観客の涙を誘いました。
同会は例年、技術の向上と会員相互の親睦融和を目標として定期演奏会を実施していますが、今回は趣向を替えてチャリティー公演を企画し、歌劇「奥山の牡丹」に取り組みました。
この「奥山の牡丹」は三大歌劇の一つに数えられる名作。戦前は村内数ケ所の字で演じられたと言う。
出演者は全員が歌上二線の同好会のメンバーらが役者に挑戦。また出演者も全員が初舞台とあって、安田慶善師匠(同会相談役)の指導の下、四月から一生懸命に稽古を積み重ね、この日のステージに備えました。
昼・夜の部と二回にわたって開かれた公演には、いずれも満員の観客が訪れ出演者も熱演。役者らが織り成す母・子の情愛と悲しみ、人情味あふれる演技は人々の胸を打ち、深い感銘を与えました。
好評を博して閉じたチャリティー公演・歌劇「奥山の牡丹」の報告と収益金の寄付を目的として十二月二十六日午前、安田慶善相談役や知花行雄実行委員長らが役場を訪れ、山内村長に寄付金(五十三万円)を託しました。
その席上、山内村長は「昔を偲ぶ芝居(歌劇)が演じられてとても嬉しい。皆さんの温かいご芳志に社協会長として、また村長として感謝します」と述べました。
これに、同会の関係者らは「予想以上の人々が公演に来てくれてとても感謝している。訪れた人々の中にはまた来年も上演してほしいとの声も多かった」と、公演の成功を喜びました。