読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1997年3月発行 広報よみたん / 8頁

【見出し】文部省のモデル地域「伝統文化教育推進事業」で校内8校を指定! 活動の成果を一堂に発表! 素晴らしい演技に感動 民族芸能 郷土を愛し、心豊かな児童・生徒の育成を図る

 文部省は一九九五年(平成七)七月十二日、地域の伝統芸能や工芸を学校の授業に取り入れる「伝統文化教育推進事業」のモデル地域として全国二十カ所を指定しました。そのモデル地域に沖縄県では唯一読谷村が指定され、村内八校(渡慶次、読谷、書名、古堅、古堅南の五小学校、読谷、古堅の二中学校及び読谷高校)で二年間にわたって推進教育が行われ、その成果は「伝統文化教育研究実践発表会」として大々的に開催されました。

 発表会は『郷土を愛し心豊かな児童生徒の育成を図る』ことを研究・実践テーマに一月三十日午後、読谷村運動広場(屋外大ステーージ)を主会場に、村総合福祉センターや勤労者体育センターで行われました。
 会場には大勢の村内各小・中・高校生や教諭、PTA関係者をはじめ、県内外からの関係者(宮城県、宮崎県、長崎県)らが訪れる中、発表会は村内小・中学校による吹奏楽演奏で華々しく開幕しました。
 運動広場や野外ステージでは小・中高校生が勇壮なエイサーやマミドーマー、また各地域に継承されている伝統の獅子舞(渡慶次区)、作たる米(長浜区)、馬舞(高志保区)、棒術(座喜味区)を披露したのをはじめ、読谷高校ダンス部が華麗な創作ダンスを繰り広げました。
 一方、福祉センターでは合唱や合奏、琉球舞踊、民俗芸能(儀間区の南ヌ島・波平区の棒術)、民話劇、三線演奏、島太鼓などの演技を展開。村内八校の児童生徒らが郷土の文化芸能を多彩に発表し、訪れた大勢の人々を魅了しました。
 また、勤労者体育センターには日常の教育活動で小・中・高校生らが実践してきた「陶器」や「昔の玩具・遊具」「実践研究資料」「昔話・民話」「活動写真」などの多岐ジャンルにわたる作品の数々が館内いっぱいに展示され、鑑賞した多くの関係者らに深い感動を与えると共に、福祉センター中庭において行われた読谷・古堅両中学校の家庭科実習生の「紅いも団子」や「楚辺ポーポー」作りの実演コーナーでは、人々に読谷(古里)の味が紹介され、喜ばれました。

〔評価〕
 読谷村教育委員会では、文部省からの「地域伝統文化推進校」の指定を受け、実践研究への取り組みが二カ年に亘って展開されました。
 『地域の伝統文化への関心を高めることを通して郷土を愛し、心豊かな児童生徒の育成を図る』ことを研究主題と定め、改めて地域の文化に目を向け、見直しを図ることにし、その中から教育課程に取り込める内容を精選。日常の教育活動にどのように活用していくのかとの検討が進められました。
 研究の推進に当たって一年次は、村内各地域に溢れている伝統文化を整理して教材科を図り、それを全教科、全学年を通して教育課程にどのように位置づけすればよいかというマトリックス(基盤。配列)の作成が試みられたのをはじめ、子ども会や地域行事との関連に考慮し、児童生徒が幅広く参加し活動できるようにするための、学校と地域社会との連携のあり方についても整理されました。
 一年次のマトリックスに基づき、二年次は位置づけした内容を踏まえての具体的な実践への取り組みが行われてきました。その成果を公開する場が過日に開催された「総合発表会」で、研究指定を受けて二年。学校と地域、村民が一体となって伝統文化の育成に努め、伝統文化を通して郷土の素晴らしさを体験してきた子どもたちが、村内各地域で継承されてきた芸能をのびのびと発表しました。

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