読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1997年4月発行 広報よみたん / 2頁

【見出し】第三次基本構想策定フォーラムを開く 住民の参画・対話を求める 

 一九九八年から二〇〇六年を目標年次に、本村では「読谷村第三次基本構想」の計画・立案に着手しました。
 この第三次基本構想は、復帰後二十余年のむらづくりの成果を引き継ぐと共に、これから始まろうとする新しきものに備えるべく理念、主体、方法についての視点に立って考えようというものです。
 読谷村ではこれまで、基本構想に「人間性豊かな環境・文化村」を掲げ、「住民主体」「地域ぐるみ」「風土調和」の三原則を目標にむらづくりを推進。その発想は時代に先行し、むらづくりの過程そのものが時代の推移に符号してきたと言われています。
 21世紀からはいよいよその文化・環境の中味が問われる時代に入り、新たな理念が必要となります。
 そこで「第三次読谷村総合計画基本構想」では第一次~第二次基本構想を総括しつつ、実り多かった文化むらづくりの次世代への継承などの検討を通して、若者の感性を動員し、新たな理念、標語を検討し、住民の参画と対話を重視するフォーラムツアー(公開討論会)の手法が取り入れられました。
 基本構想の策定には、
Ⅰ環境
Ⅱ学習・文化
Ⅲ産業
Ⅳ暮らし
Ⅴ土地利用
Ⅵ行政運営
の六部門のテーマが設定され、精力的にフォーラムが開催されてきています。
 フォーラムは、昨年の十一月二十二日に開かれた産業部門「地域からの仕事づくり」を皮切りに、学習・文化部門「読谷ルネッサンス~21世紀の文化村づくり~」(二月十八日、読谷村立美術館)、環境と土地利用部門「我が村における景観形成~ワークショップ~」(二月二十五日、読谷村漁協会館)が開かれました。
 同日(二十五日)のフォーラムでは三人のパネラーが招かれ、事例報告が行われました。姜榮祚東亜大学都市造景学部副教授が「韓国の済州道における観光開発と環境保全」を、上勢頭芳徳喜宝院蒐集館・博物館学芸員が「うつぐみの島・竹富集落の景観保全の取り組み」を、北村英子画家が「私の見てきた沖縄・読谷の風景」をテーマに報告。その中で姜副教授は「韓国(済州道)では国が政策的に観光開発計画を立案してきた。残念なのは、自然景観を無視した建物の立地が反省点となっている。山や川(谷、滝)海岸などの自然景観を重視し、自然景観を無視した計画には建築制限で厳しく規制し、あらゆる法律で保全すべきところはしっかりと保全すること」と強調。上勢頭氏は「竹富島では町並み保存会を設立して土地を売らない運動を展開し、赤瓦の屋根、海岸の白い砂浜、石積み塀の三点セットで景観保全に努めている。地域の風土にあった建築文化は観光資源となっており、竹富島の経済はまさに文化が救っている。現在は島に環状線をつくり集落内に車を入れない運動や景観の視点から電線の地下埋設運動に取り組み、弱者(子どもやお年寄り)にやさしい街づくりを目指している」と唱え、また、北村さんは「私は常に沖縄の美しい草花で訪れる人々を『ようこそ』という気持ちで歓迎している。沖縄の草花は本土では一年草でも沖縄ではこぼれ種でも年中花が咲き、多年草で大金もかからない。自然を目で育てることをして頂きたい。それが青少年の健全育成にもつながるものと思う」と話した上で、「読谷の村花はブーゲンビレアであるが、それを意識した住民はどれぐらいいるだろうか。外部の人からはあこがれの花であり、読谷村への玄関口や公共の場所などにブーゲンビレアを植えたらどうだろう。また、村外から訪れる人には読谷村内がわからない。村内の入りロに車が停まれるような場所を確保し、やちむんの里にふさわしい陶板で作ったユニークな案内版や、不用になった陶器片をデザイン化して公共の道路整備や特色ある生活道路づくりをしたらどうだろうか。そうしたら歩くだけで楽しい道路になると思う。手の届くところがら喜びあふれる地域づくりをしてほしい」と提案しました。
 その後は、パネルディスカッション(意見交換)へと移り、フロアーからも多くの意見が交わされ、フォーラムを閉じました。

☆つづく☆

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