〔写真〕「上原先生による講演会が開かれました」
去る八月二十八日、村中央公民館ホールにおいて健康共生課主催による「育児講演会」が開催されました。
これは、仕事を持ちながら育児に奮闘している父母の皆さんを対象に開かれたもので、「就労する親が育児中でもどんな暮らしがしたいのか」をグループワークを通して思い思いに語ってもらい、母子保健の「あるべき姿」を求めて受益者の声とし、村の母子保健計画に折り込んでいくという目的で行われたものです。
「育児の悩みについて相談出来る人がいる」「子育てサークルがあって育児の情報交換ができる」「母親が家事をしている時、夫が子どもの世話をする」といったような切実な思いが出され、話は盛り上がりました。
また、コザ保健所の上原真理子先生が「子どもに対して親ができる最大の贈り物って何?」というテーマで講演をなさいました。
上原先生は、小児科医師として働きながら六人のお子さんを育てている現役ママでいらっしゃいます。医学の専門的立場から、また豊富な育児体験からすばらしいお話しを聞くことができました。 そこで、講演を聴かれた母親から、感想が届きましたので紹介したいと思います。
保健婦・大城真悠美
【感想文】知花恵子(波平)
先日は大変ためになるお話を聞かせていただきありがとうございました。
子どもの発達段階にそって分かりやすくお話ししてくださり、乳児期に母親とのしっかりとした絆、信頼関係を築くことはとても大切なことであり、「一歳までに赤ちゃんが母親に”真になつくこと“ができれば百点満点ですよ!」というメッセージに、育児方法はこれでいいのかな?と自問自答している自分にとって「やった~!□それなら私は大丈夫なんだ」と安心致しました。
育児は親にとって、初めて経験する思い通りにならないことかもしれないが、人を育てることは、一人前の大人として社会に還元できる大事な作業なのだということです。
女性は育む性であり、男性は決断する性である。この二つの特性をお互いによく理解し、両輪のように作用して家庭は成り立つし、望ましい育児につながるとのことでした。やはり、夫婦で協力しながら育児していくことは大切なことだと痛感致しました。
講話のなかで、特に印象に残ったのは、思春期についてのお話です。思春期は反発の時期であり、また、できなかった事ができるようになる時期でもあるのです。それに比べ親は、更年期にさしかかり、身体面の衰えから、できた事ができなくなる時期でもあるのです。その為、子どもも不安定なうえに親自身も不安定になる難しい時期といえるでしょう。
子ども自身が社会の中に、「自分は存在していいのだ」という惑覚がないと、「自分って何だろう」と苦しむようです。人生で初めて「挫折」を味わうのもこの頃のようです。日頃から子どもの声に耳を傾け、「かけがえのない存在なんだ」と伝えていくと共に、子どもの成長にとって必要な時期だと静観する事も大切だと感じました。
これから先、我が子も思春期を迎えることになりますが、重要なポイントを教えていただき、親も一緒に乗り越えて行こうという気持ちになりました。「子どもに対して親ができる最大の贈り物って何?」の上原先生からのメッセージとして『乳児期に充分なスキンシップを持ち、基本的信頼関係をしっかりと作りあげ、それを土台に、人との交わりが好きで積極的に社会に参加できるように育てていくことです!』と話されていました。そうか!そうなんだと納得できると同時に力強いエールを贈られた気持ちでいっぱいになりました。
毎日の子育ては大変です。でも、肩の力を抜いて他の人とたくさんおしゃべりをし、知恵を出しあって、育児を通して子どもと共に自分自身も成長していきたいなと思いました。笑顔でまた、子育てに頑張れる気持ちになりました。有難うございます。