全国持ち回りで毎年開催されることから、「文芸の国体」と形容される第12回国民文化祭・かがわ97「文芸祭」(文化庁、香川県など主催)の現代詩部門で、喜名小学校四年生の大城幸兼君と玉城綾乃さんが見事に上位入賞に輝きました。
同文芸祭の現代詩部門には今回、全国の児童□生徒から三千四百四十二編の応募があり、その中で大城幸兼君の「たった―つの命」が国民文化祭実行委員会長賞(文部大臣奨励賞に次ぐ賞で、全国で一編)を、また玉城綾乃さんの「せんそう」が香川県教育委員会教育長賞(全国で一編・五位に相当)を受賞しました。
喜名小学校(新里紹次郎校長)は、情操教育の一環として『豊かな表現力を育てる指導の展開』を教育目標に据え、神谷乗好教論が詩の指導に当たっている。今回は同校から「平和の詩(いのち、戦争)」をテーマに四年生~六年生が五十編を応募し、県内の小学校からは二人が上位入賞を果たしました。
子供たちの素晴らしい成果に、同校の新里校長は「恵まれた環境の中で子供たちの豊かな心が育まれ、詩は素直な心で表現されている」と評し、また指導に当たった神谷教諭は「詩は教師が教えるのではなく自己教育力から育まれ、日頃の活動の中から五感を通して養われるもの。今回の賞は子供たちの自信と励みになり、今後も環境を活かした教育をしていきたい」と受賞を称え、これに二人は「先生から聞いた時はとても嬉しかったです」と応えました。
喜名小では、同文芸祭の現代詩部門において、一昨年の栃木大会で三人、昨年の富山大会で十人の上位入賞者を出しており、三年連続の快挙を成し遂げていて、詩は毎年「文集」として綴られています
なお、表彰式は十月二十六日に香川県丸亀市総合会館で行われます。
【全国現代詩大会入賞作品】
■国民文化祭実行委員会長賞
大城幸兼(喜名小四年)
たった一つの命
山ももの実がつく六月
学校の森には
小鳥たちがさえずリながら
遊んでいる
森の中にある
ぼうくうごう
つぼの中に
まだ骨が入っている
戦争が残っている
と先生は言った
ヒューパボン
花火のように楽しんだのか
その下には
多くのぼくがいた
心ぞうが止まリそうな
ぼくがいて死んでいった
たった―つの命を
人が人を殺していく
人間はなぜ
戦争の前に平和を
言わないのだろうか
多くの人が
死なずにすんだのに
くらくつめたい
森の
ぼう<うごうの中に
まだ戦争が残っていた
■香川県教育委員会教育長賞
玉城綾乃(喜名小四年)
せんそう
五十二年もなるのに
まだせんそうのように
基地の中は
ばくだんの音
ドーン ドーン ドンドン
この音で
たくさんの人が死んでいった
今ここでもし戦争があったら
わたしたちは
どこににげるのだろう
にげられない土地の上で
わたしたちは又
せんそうをやるのだろうか
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