嘉手納基地爆音防止共闘会議読谷支部長新垣徳三氏(会員五二名) から、去る十月二十二日、読谷村育英会に対し五〇〇万円の資金贈呈が行われました。
同支部は、嘉手納基地から派生する爆音から「静かな生活環境を取り戻す」ため十六年余の裁判闘争を進めてきましたが、今年六月に判決が確定したことから補償金の一部を読谷村の人材育成に活用してもらいたいとの趣旨で贈呈されたものです。
贈呈に先立ち新垣支部長からこれまでの裁判の経過が報告され、読谷村の支援に対し感謝の言葉が述べられました。
贈呈を受けた安田慶造村長は、地域の静かな環境を取り戻すために、長い間頑張ってこられたことに敬意を表され、贈呈された資金の有効活用を約束しました。
嘉手納爆音訴訟とは
極東一といわれる嘉手納米軍基地から昼夜問わず派生する爆音について、基地周辺市町村の行政・議会・各民主団体から抗議と改善要求が繰り返し行われてきたが国と米軍は、十分な改善を講じないため、基地周辺六か市町村の住民で嘉手納基地爆音共闘会議を組織し、一九八二年二月二十六日「嘉手納基地騒音差し止め訴訟」を提訴。
裁判闘争
爆音共闘会議読谷支部は、一九八一年―二月十六日に五三名で設立され爆音共闘会議(九〇六名)とともに裁判闘争を進めてきた。
一九九四年二月二十四日に一審判決、一九九八年五月二十二日に福岡高裁那覇支部にて判決。
提訴から一六年が経過、国側・ 原告(九〇六名、内五名が他界)とも上告せず判決が確定。
判決内容
一審判決と同様爆音と原告の健康被害との間の法的な因果関係を否定し夜問差し止め請求を棄却するとともに将来の損害賠償請求について棄却。
一方、過去の損害賠償についてWE値七五以上(一部除く)について被害認定し騒音被害地域の広範囲性といった沖縄の特殊性並びに国の環境基準に向けての義務懈怠を理由に「危険への接近」法理の適用を全面的に排斥した。