大きさは一四cmとスズメくらいのツグミ科の小鳥です。オスは頭部が灰色がかり、顔から背中は黒く、風切り羽に白い斑紋が目立ちます。また、胸から腹にかけては鮮やかなだいだい色をしています。メスは頭部から背中が茶褐色をしていて、やぶに入ると目立たない地味な色になってしまいます。
本種は夏季にバイカル湖周辺やサハリン、中国の中央部などで繁殖し、冬季には中国南部から本州にかけて南下して、越冬します。県内各地でも少数が渡来して、草原や農耕地、公園、林緑など開けた環境で越冬します。村内では読谷飛行場跡のキビ畑や残波岬の草原などでしばしば姿を見かけることがあります。雌雄別々の縄張りを持ち、主に昆虫類やクモ類などを捕らえてエサにします。縄張り性が強く、時にはカープミラーに写った自分の姿に攻撃をしかけることもあります。また、木立のてっぺんなどに止まり、「ヒッヒッ」と連続してさえずり、縄張り宣言をすることもあります。
文・・県立博物館学芸員
嵩原建二