読谷村の自然(35)鳥類編【冬鳥】夜のハンター ~コミミズク~ (フクロウ科)
大きさは38cmと県内にすむコノハズクより大きなフクロウ類です。顔は丸く、小さな耳角(じかく)が頭の上にでます。
繁殖地はユーラシア大陸北部の広い範囲で、冬季には全国各地に冬鳥として飛来してきます。県内でも冬季に数少ない冬鳥として飛来してきて、牧草地や農耕地、まばらな草原のある埋め立て地などでくらします。夕方近くから先の丸い翼(つばさ)を深くはばたいて、フワフワと飛び回り、主に野ネズミ類を捕らえてエサにしています。天気が悪く薄曇りの時には、日中でもよく活動しますが、昼間は主に草原の草かげにかくれて休んでいます。ですから、牧草地で牧草を刈り取っているとき飛び出してくることがあります。
村内では夜行性であるため姿を見る機会は少ないかも知れませんが、残波岬の草原地域や読谷飛行場跡周辺の収穫が終わったキビ畑などで姿が見られることがあります。
文・県立博物館学芸員 嵩原建二