読谷の自然(37)鳥類【旅鳥】ツバメに似たチドリ~ツバメチドリ~(ツバメチドリ科)
大きさは二十六㎝くらいで、雨上がりの夕方近く、ツバメのように集団で飛び回り、トンボやハエなど飛翔(ひしょう)性の昆虫をエサにしているチドリの仲間です。また、飛び回るとき、「キリリ、キリリ」と特徴ある鳴き声で鳴くときがあります。
時には牧草地や芝地などの草原、耕された農耕地などに降り立ち、ミミズや小昆虫などのエサを探したり、休息したりします。
本種は県内各地に飛鳥として、ごく少数が飛来してくる渡り鳥ですが、宮古島や石垣島、沖縄本島では局所的に繁殖例があり、一部は夏鳥として飛来し繁殖することがあります。繁殖地は小石や泥の固まりがごろごろしているような荒れ地で、小さなコロニー(集団繁殖地)を作って繁殖します。
村内では一九八五年の夏に儀間の土地改良区で少数繁殖した記録があります。最近では姿を見る機会は少なくなりましたが、一九九七年の春季に読谷飛行場跡地周辺の農耕地で、十羽程の群が観察されました。
文・沖縄県立博物館学芸員 嵩原建二