読谷の自然(38)鳥類編【旅鳥】曲がったくちばしのシギ ーチュウシャクシギー(シギ 科)
大きさは四十二㎝と大型のシギで、県内各地の海岸や干潟、草原などに旅鳥として飛来します。くちばしが下にカーブするように曲がっている独特な形をしていますが、これは干潟の砂地や泥の中の穴に、くちばしを差込みカニを引っぱり出して食べることに適応した結果なのです。カニをつかまえる足を振り落として、呑みやすくします。時には貝類やゴカイなどもエサにします。
飛び立つときに大きな声で「ピピピピーー」と鳴き、渡りの時期には百羽ほどの大群をつくることもあります。
繁殖地はシベリアのツンドラ地帯で、冬には寒さをさけるように東南アジアやオーストラリアまで渡って、冬越しします。その南下の北上の途中に沖縄に立ち寄りことになるわけです。
村内では大きな干潟が見られず、姿を見る機会は少ないのですが、長浜や渡具知などの潮が引いたリーフ上や砂浜海岸、河口近くの小さな干潟などでしばしばエサをさがしている姿が見られます。
(嵩原建二:沖縄県立博物館学芸員)