愛の手をさしのべよう 古堅中学校二年 比嘉美幸
皆さんは、毎日三度の食事が食べられ、暖かいふとんに寝て、好きな洋服をつけ、毎日学校に行き、教育がうけられることに対して、感謝したことがありますか。
これまでの私は、豊かな生活の中で感謝する心も忘れ、これはみんなあたりまえだと思って生活していました。
ある日の夕食のことです。私のきらいな物がならびました。私はそれに、ほとんど手をつけず残しました。それを見て母が「発展途上国では食事も満足に食べられずに、うえで死んでいく子供たちが大勢いるというのに…」と言いました。それでも私は、何とも思いませんでした。
そんな私が、ショックを受けたのは書店で手にした一冊の本でした。それには、栄養失調で老人のような目になった赤ちゃん、また体中の骨が見えるほど、やせこけている子供の写真がのっていました。今、開発途上国では、約一億人の子供達が学校に行けず、教育を受けることができないそうです。また、雨が降らなくて農作物が収穫できず、うえて死んでいく人々や、病気の流行で逃亡する人々のことを、テレビで見て心が痛みました。
それ以来私は、食糧不足で栄養失調になった子供達や貧困のため教育を受けられない子供達に、何とか救いの手をさしのべてあげたいと思うようになりました。そんなある日、母が郵便局からもらってきた、一枚のパンフレットを見て、私にも協力できそうだ、私の幸せを少しでもわけてあげられると思いました。
それには通常貯金の利子の二〇パーセントを寄付して、民間援助団体を通して、この寄付金を役にたてていこうという事が書かれていました。例えば、通常貯金残高一〇万円の場合、約五六〇円です。その五六〇円で、結核治療薬が三十七日分、予防接種用皮下注射針一一四本、その他教室で使用する鉛筆なら九三本購入できるそうです。
私はさっそく、今年の正月にもらったお年玉をボランティア貯金にしました。
それから新聞で、誰でも協力できるようなボランティアの記事を見ました。その記事には、使い終えたテレホンカード一〇〇枚で、子供一年分のミルク代に、古切手二〇〇枚で、子供にワクチンがうてると書いてありました。こんな簡単の事で役に立てる事を知り、ビックリした様なうれしい気持ちで、さっそく家族で、使用済みテレホンカードや、古切手の収集を始めました。
これからも私は、感謝する心をいつも忘れずに、周りの人に少しでも私の幸せを分けていきたいです。
私達の身近にも、まだまだ救いの手を待っている人が、いるのではないかと思い、私はその人達に少しでも役に立ちたい、喜んでもらいたいと生徒会活動の中で、ボランティア委員になりました。
私達の少しの善意で、一人一人の命が輝けたらと思ったからです。
皆さんも、小さなことから始めてみませんか。