読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1999年8月発行 広報よみたん / 13頁

読谷の自然(39)鳥類【旅鳥】大型のチドリ~オオチドリ~(チドリ科)

読谷の自然(39)鳥類 旅鳥 大型のチドリ ーオオチドリー(チドリ科)

 大きさが二十三㎝と国内で見られるチドリの仲間では最大の種で、渡りの途中にムナグロの群に混じっていることがあります。
 本種は中国大陸内陸部のモンゴルやバイカル湖周辺の草原で繁殖し、冬は東南アジアやオーストラリアに渡って越冬するため、国内では見る機会の少ないまれな旅鳥としてごく少数が飛来します。立ち寄る環境は、海岸近くの草丈の低いまばらな草原や荒れ地で、ここに降り立ち、小昆虫などのエサをとり渡りの体力をたくわえるため、しばらく留まります。
 渡りの途中の非繁殖期には、全身じみな灰かっ色をしていますが、繁殖期の夏羽では、顔は白く胸部は赤かっ色になり、下胸が黒い帯でふちどられてくるため、きれいな繁殖羽になります。
 県内でも観察記録は少なく、これまで与那国島、宮古島、伊江島などで記録が見られます。村内では一九八九年四月に残波岬の芝地で、数羽の群が観察されたのが初めての記録でしょう。
文・沖縄県立博物館学芸員 嵩原建二

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