懐かしい戦前の写真に再会
第二次世界大戦直後にアメリカ兵が持ち帰った戦前の写真十一枚と絵はがきが持ち主に返されました。
これは米国オハイオ州在住のトム・フィンクさんから読谷村役場宛に持ち主探しの依頼があり実現したもの。
同写真は、トムさんの父親レナードさんが、沖縄戦直後に米海兵隊員として滞在中に拾って持ち帰ったもので、亡き父に代わり持ち主にお返ししようと思い立ったもの。
有力な手がかりは、與那覇徳英さんが昭和十四年十月九日付で、妻の富さんに宛てた絵はがきでした。
早速、儀間公民館(上地勇徳区長)に照会したところ、程なくして所有者が判明しました。この度、フィンクさんからその写真と絵はがきが届き、八月十九日に関係者に引き渡されました。
関係者として、新垣キヨ・山内シゲ・与那覇富・町田宗進・知花真徳・仲宗根清一・町田宗正さんら七人が参加、写真を手に感慨深そうに見入っていました。
特に、シゲさんは結婚して二年目に夫を失い、宿していた子は父親の顔を知らないとのこと。
また、富さんは夫の遺品もなく、南洋で戦死したということで「與那覇徳英」と銘書きされた白木の箱が届いただけで、思いがけず形見を手にして感謝していました。
町田宗進さんは、「戦後五〇有余年、長い間国境を越えた国で保管され、こうして持ち主に返してもらったことは、フィンク親子にはありがたく、感無量の喜びです。」と感謝の意を表しました。