読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1999年10月発行 広報よみたん / 13頁

読谷村自然(41)鳥類【旅鳥】小石を転がすシギ ~キョウジョシギ~(シギ科)

読谷の自然(41)鳥類【旅鳥】小石を転がすシギ ーキョウジョシギー(シギ科)

 大きさが二十二㎝と小型のシギで、くちばし、足ともに短く、体つきはずんぐりとしています。頭部から胸にかけては独特な黒色の太い模様があり、このカラフルな模様を優雅な京都の女性に見立てて「京女シギ」と名付けられています。背中の色は、夏羽では赤褐色で赤みがかり、冬羽では黒褐色で、羽のふちが白くうろこ状になります。鳴き声はゲレゲレ、ギョギョギョと聞こえる声で鳴きます。
 春秋の渡りの時期には、県内各地の干潟や砂浜海岸などに数十羽ほどの群で姿を現し、やや上側にそったくちばしで、海岸の小石や海草などをひっくり返して、下にいるカニやゴカイ類などを食べます。時には自分の体重ほどもある小石をひっくり返すことがあり、英名の「ターンストン」はこのことに由来します。
 繁殖地はユーラシア大陸の北部海岸線で、冬季にはアフリカ大陸、インド、東南アジア、オーストラリア沿岸に渡り、越冬します。
 村内でも砂浜のある渡具知や残波岬、長浜などの海岸線でエサを探している小さな群を見ることがあります。
文・沖縄県立博物館学芸員 嵩原建二

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