読谷の自然(43)鳥類【旅鳥】天然記念物の鳥
ーコクガンー(ガンカモ科)
大きさは60㎝と大型のガンカモ類で、国指定の天然記念物として保護されている鳥です。体は全体に黒っぽく、黒色の首に白色の三日月状の模様が特長的にでます。主にシベリアのツンドラ帯などに繁殖地をもち、国内では北日本の河口や港湾などに数少ない冬鳥として飛来します。日中は岸から遠く離れた海上で休息していることが多く、干潮時や夜間に岸近くまでエサを採りにやってきます。
主に植物を食べ、岩礁につく海藻類なども好んで食べます。特にアオサはよく摂食します。
県内でもごくまれな冬鳥として飛来し、豊見城村や渡嘉敷島、南大東島などで記録されていますが、村内では1981年11月から翌年の2月まで長浜の海岸で越冬したことがあります。
文・沖縄県立博物館学芸員
嵩 原 建 二