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2000年1月発行 広報よみたん / 8頁

はつらつ長寿をめざして 比嘉好子さんが作文で表彰を受ける

はつらつ長寿をめざして
比嘉好子さんが作文で表彰を受ける
 第24回沖縄県老人福祉作文コンクール(主催:県老人クラブ連合会)が9月22日に開催され、比謝矼区の比嘉好子さんが応募作品87点(中高校生作品含む)の中から佳作に入選致しました。
 11月18日に村長を訪ねた比嘉さんは、「戦前の貧しい時代や戦争中のことなど過去を振り返ってみると波瀾万丈の人生でした。子供たちも巣立って、75歳にしてなお青春を謳歌して、大らかに頑張っています。」と入選を素直に喜んでいました。
 報告を受けた安田村長は、「好子さんは老後の意識改革に目覚めたことがすばらしい、その豊富な体験の話であり説得力があります。なお一層、福祉の実践の現場で頑張ってください。」と激励し、老人の生き甲斐談義が続きました。
はつらつ長寿をめざして
読谷村比謝矼老人クラブ  渓泉会 会長比嘉好子
 老いというのは、避けたくても、避けられない人生の道であります。年齢を重ねて、体が老いていくと共に、脳も老化していきます。少なくともその老化を遅くして、ボケを防ぐためにも、毎日の生活を見直して、はつらつ長寿の備えをしたいものです。
 中国の詩人杜甫は、「曲江」の中の詩句に「人生七十古希稀」とうたっています。
 我が国の平均寿命は、男77・16歳、女84・01歳だと言われています。
 私は、この世に生を受けて、74年、「もう74歳か」と思うと、意気消沈して、下を見がちですが、プラス思考で「まだまだ74歳、トーカチもアジマヤーも金さん銀さんのように、107歳もある」と思うと、人生意気に感じやる気がでてくるものです。
 私は、昭和61年退職と同時に、農業のノウハウを勉強しようと、村農協婦人部に入部し、現在にいたっております。
 平成元年に、村農協婦人部長、平成4年から7年まで県農協婦人部の会長として、食の安全性・高齢者問題・環境・組織・女性の地位向上に取り組んでまいりました。
 本村の特産である紅芋にも力を入れ、婦人部で料理集を2冊発刊しております。
 生涯学習が叫ばれている今日、農協の月刊誌『家の光』を愛読し、記事を活用して手作りを楽しんでいます。
 昭和61年から、平成10年11月30日まで、12か年民生委員・児童委員を務め、福祉六法に従い、ネットワークを大事にしながらやってまいりました。ノーマライゼーションの普及者として、地域福祉の実践活動を展開していく役目ですが、なかなか幅が広く、悩みもいっぱいありました。
 私は、ホームヘルパー3級を取得していますので、一人暮らしの方を訪問し、「元気ヤミセーミ」「近頃は、チャーヤミセーガ」と話し相手になったり、四方山話しに花を咲かせたりいろいろです。
 読谷村では、「ゆいまーる共生事業」が平成元年から、実施されています。それぞれの行政区に住む老人や、心身障害者などの、要援護者に対し、字公民館を拠点として、ふれあいサロン事業と共に、区民の健康維持に関する啓蒙活動を行い、地域健康増進に、寄与することを目的に実施されました。
 平成元年に、喜名区を皮切りに、現在では22の字が、ゆいまーるを結成し、実践しています。
 私の字でも平成8年に比謝川の会と、銘打って発足いたしました。在宅福祉の向上充実を目的に、80歳以上のお年寄りが対象ですが、長期入院、施設入居などで対象者は少なく予備軍の方が多い現状です。このミニデイサービスは、老人会を中心に、字民で、月2回活動しております。
 年間プログラムにそって、歌・踊り・カラオケ・ゲーム・村内めぐり・村外めぐり・折り紙・陶芸教室・音楽鑑賞・ビデオ・手作りなど、バラエティーに富み、ボランティアの作ったおやつに舌鼓を打ちながら、先輩の今昔の物語りを聞くのも懐かしく、和気あいあいと、童心にもどる一時で、ゆいまーるは、待ち遠しいものになりました。
 超高齢社会を目前にして、高齢者の「生きがいづくり」に貢献している、ミニデイサービスを高く評価すると共に、結の精神「チュイシージ」「チュイタレーダレー」をしながら末長く、社会全体で支え合い、住み良い地域にしたいものです。
 私は現在、字の老人会長、JAゆいなの理事、村農業委員と、多忙な毎日ですが、忙しい、忙しいと、働き蜂だけでは、味気ない人生なんですね、「忙中閑あり」閑をいれ、趣味である、草木染(ウージ染・紅芋染)や裁縫刺し子など、指や体を刺激し、好奇心を持つことが大切だと思います。
 老後には、経済力と健康、旺盛な自立心、そして趣味、腹の底から笑い、若々しく、生き生きと、生活をエンジョイし、年をとるのもすてきなことです。おしゃれ心も忘れずに。
 まったなしにやってくる介護保険制度、身近な問題でありながら、今ひとつよくわからない介護法、県民が安心して、年を重ねられるような、介護保険であって欲しいと思います。介護保険に対する心配は「要介護の認定」だといわれます。公平な認定を望むものです。
 私は、これからも長生きの質を高めながら心身共に健康に留意し、わが人生に悔いがないように、明るく、食生活や、生活習慣にも気をつけ、一生感動、一生青春でありたいと思うこの頃です。

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