読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2000年1月発行 広報よみたん / 13頁

読谷村自然(44)鳥類(冬鳥)もぐり漁がとくい ~カワウ~(ウ科) 

読谷の自然(44)
鳥類(冬鳥)もぐり漁がとくい ~カワウ~(ウ科)
大きさは81㎝と大きく、カラスのように全身黒色の鳥です。本土では留鳥として生息し、内湾や湖、池などでふつうに見られます。最近個体数が急激に増加し、また生息分布域の拡大傾向も著しい鳥です。このため滋賀県琵琶湖や栃木県などでは増えすぎたことにより、集団ねぐらや繁殖地で大量のフン尿により森林が枯れたり、悪臭被害や養殖場での食害が問題になっている地域もあります。
 県内では冬鳥として飛来し、ダム湖や海岸、河川などで見られ、地域によっては十個体から30個体程度の集団で越冬するだけです。
 この鳥は水にもぐって魚を捕らえることが得意な鳥で、魚を捕らえるといったん上に放りあげ、頭を先に丸呑みにします。有名な長良川の鵜飼いは、この習性をたくみに利用したものです。
 最近村内の長浜ダムでは、本種の越冬個体が増加し、30羽ほどの集団越冬地を形成している様相が見られます。
 今のところ、フン尿による被害等人間生活への影響は見られませんが、ちょっと注意を要する野鳥です。
文・沖縄県立博物館学芸員 嵩原建二

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