沖縄の美(2)
読谷村立美術館収蔵品 牧港風景
山田眞山作。1958年。額装。絹本彩色。77×105㎝。
作者の山田眞山氏(1885年~1977年)は、那覇市出身。東京美術学校(現東京芸大)で学び、日本画家、彫刻家として活躍。戦後は、沖縄において制作活動をおこない、1957年から没するまで平和祈念像の制作にあたる。代表作として、明治神宮の「琉球藩設置図」、「達麿の図」等がある。
この作品は、古き良き沖縄の風物、戦前の牧港を描いたものである。岩山の量感、琉球松や人物が生き生きと描かれ、入り江に浮かぶやんばる船や遠くの島影など、穏和な叙情性をもった表現となっている。
文・上地雅子(村立美術館)