読谷の自然(46)鳥類【冬鳥】夜行性のシギ~ヤマシギ~(シギ科)
体長が三〇㎝とハトくらいの大きさの鳥で、丸々と太ったシギです、全身茶色がかり、背中や翼などに黒褐色の細かい斑紋がでます。くちばしは太く長めで、目の位置が頭部のやや後ろよりにあることから、他の鳥と顔つきが少し異なります。しかもこの鳥は夜行性で、昼間はうっそうとした森林内で休息し、夕方近くから活動し始めます。エサを採る場所は森林近くにある農耕地や果樹園、牧草地、林道わきなどで、草原を歩き回りながら軟らかい地面にくちばしをさしこみ、ミミズや小さな土壌動物などを捕らえてエサにしています。本州ではふつうに留鳥として生息していますが、県内では冬鳥として十月頃から渡来し、翌年の三月頃まで森林地域などで越冬します。夕方から夜間にかけて足元の草むらから飛び去る鳥はたいていこの鳥です。
村内では長浜や親志などの森林地帯や農耕地近くで、しばしば地上でエサをさがしていたり、飛び回る姿が見られることがあります。
文・沖縄県立博物館学芸員 嵩原建一