沖縄の美(4)読谷村立美術館収蔵品
彩陶「イザイホー」
山田真萬作(一九九一年)。高さ三五㎝、口径四〇㎝。
作者の山田真萬氏は、那覇市生まれ。一九七九年に読谷村に読谷山焼を開窯。日本陶芸展や日本民芸館展などで数々の賞を受賞。東京、大阪、イギリス、アメリカなどで個展や陶芸展に出品。伝統技法を元に、独創的で力強い作品を発表し、高く評価されている。
この作品は、本焼きした作品の表面に絵を描いて低温で焼き付ける上絵彩色の技法により、久高島で行われる神事のイザイホーが描かれている。壷の側面に、強弱のある直線で単純化された六人の神女がたくみに描かれ、量感のある力強い表現となっている。
山田氏は「ノロの神事は荘厳にして狂気、赤に大地と太陽と情熱、ニライカナイヘの夢を託し、ノロの直線的な線は万物の生を伝承する祈りの躍動に自身を重ね合わせた。」と述べました。