読谷村が誇る人間国宝
巨匠の技を堪能
沖縄の誇る伝統工芸の陶器、花織、紅型の粋を誇る三人の巨匠の作品を一堂に集めた「人間国宝展」が開催されました。
開館二十五周年を迎えた読谷村立歴史民俗資料館は「人間国宝 金城次郎・與那嶺貞収蔵品展」、十周年を迎えた村立美術館では「人間国宝 玉那覇有公『紅型』展」が四月八日から三十日の日程で同時に開催されました。
歴史民俗資料館の特別展示室では、資料館・美術館の収蔵品で、魚の文様が特長の金城次郎さんの壺や大皿等三十六点、昨年人間国宝に認定された與那嶺貞さんの読谷山花織六点が展示されました。
美術館で展示された玉那覇有公さんの作品は、特にこの展示会に向けて染めあげた力作揃いで、紅型着物や着尺・全通、大型の「松竹梅に鶴亀文様」紅型幕の合計六一点が展示されました。
四月七日のオープニングセレモニーには、これまで美術館と関わった美術家、ヤチムン・花織の関係者等一五〇人余が集って行われました。
宮城元信美術館長は、「玉那覇さんに展示を依頼した際『よし、わかった。』とのお言葉は生涯の思い出です。」と開催の喜びを述べました。
安田村長は、「この資料館・美術館は皆さんの支えによってここまで育ってきました。今後とも内容の充実には皆さんの力が必要です。」と感謝し、協力を仰ぎました。
三人の人間国宝の作品が一堂に展示されているとあって、各地から訪れた美術工芸ファンは、細やかで鮮やかな気品あふれる作品に、思わずため息をもらしていました。
玉那覇さんは、近く瀬名波に住所を移転することになっており、読谷村は三人の人間国宝を擁することになります。