読谷の自然(48)鳥類【留鳥】
真っ赤なクイナ~ヒクイナ~ (クイナ科)
ため池や湿地、河川、水路沿いなどの水辺の環境にすんでいるクイナで、全身赤い色をしています。名前の「ヒクイナ」は、この全身が緋色をしていることに由来します。
大きさは二三㎝とバン(方言名:クミラー)より一回り小さいクイナです。物音に非常に敏感で、また上空を飛ぶものにも警戒し、すぐに草むらやしげみに入ってしまいます。このため姿を見かける機会の少ない鳥です。
本種は湿地などで小さな昆虫や魚類、甲殻類などをエサにし、時にはタデ科やイネ科などの植物種子も食します。
県内にはこの渡りをしないリュウキュウヒクイナが留鳥として生息し、冬季には本土からヒクイナが渡ってくることがあるようです。
村内では残波岬のため池や儀間の農耕用ため池や水路沿いで姿を見かけることがあります。
文・沖縄県立博物館学芸員
嵩原建二