読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2000年6月発行 広報よみたん / 13頁

沖縄の美(7)読谷村立美術館収蔵品

沖縄の美(7)読谷村立美術館収蔵品
 「記」
 石嶺伝郎作。一九八一年。キャンパスに油彩。F四〇号。
 作者の石嶺伝郎氏は、読谷村出身。沖縄教職員絵画展での受賞を皮切りに、新世紀美術協会展や沖展等で数々の賞を受賞する他、安井賞候補新人展に出品。一九七九年沖縄タイムス芸術選賞大賞受賞。那覇市、具志川市、大阪府池田市等で個展開催。現在沖展会員、新生美術協会長。浦添市美術館運営協議会委員。フォービズムの影響を受け、厚塗りのマチエールに渋い色彩による内的表現で注目を浴びる。
 この作品は、人物シリーズの中のひとつで、黄土色の壁に浮かぶ顔が描かれている。作者によると、少年時代、那覇に向かう汽車の中で向かいの席に座っていた清潔感ある和服姿の女性の顔が強烈に印象に残っていてその想いを描き記したものであるという。厚く塗り重ねた絵の具の強いタッチが重厚さを醸しだしている。

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