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2000年7月発行 広報よみたん / 13頁

読谷の自然(50)鳥類【夏鳥】黒い帽子のアジサイ ~コアジサシ~(カモメ科)

読谷の自然(50) 鳥類【夏鳥】 黒い帽子のアジサシ ーコアジサシー(カモメ科)

 大きさは二十八㎝と小型で頭部は黒く、くちばしが黄色いアジサシです。本種は青森県以南に夏鳥として飛来し、砂浜海岸や埋立地や荒れ地、川の中州などで繁殖します。
 県内でも初夏に飛来してきて、砂地や埋立地などの平らな場所の浅いくぼみを利用し、営巣します。巣材は貝やサンゴのかけらをわずかに敷いただけのもので、岩礁や海岸で繁殖するべニアジサシやエリグロアジサシに比べ、海岸から離れた内陸部でも繁殖することがあります。卵の数は一から三個で、少数の集団的な繁殖地(コロニー)を形成してヒナを育て、人が巣に近づくと「ギュイ、ギュイ」と鳴きながら飛び回り警戒します。
 エサは主に小魚で海岸や河川・池などを飛び回りながら、水中に飛び込んで捕らえます。このときヘリコプターが行うような低空飛翔(ホバリング)をよく行い、えものにねらいを定めます。
 村内では残波岬で保護されたことがありますが、長浜や渡具知の海岸沿いなどを飛び回っている個体を見かけることがあります。
文・沖縄県立博物館学芸員      嵩 原 建 二

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