平和サミット「花は土に咲く」基地の島から平和を発信
民衆の立場から平和問題を考えるシンポジウム「平和サミット 花は土に咲く 基地なき平和を求めて~沖縄結集」(主催:財団法人、わびあいの里・阿波根昌鴻理事長)が七月一日に、読谷村文化センター鳳ホールに約九百人が参加して開催されました。
開会のあいさつで石原昌家沖縄国際大学教授は、九州・沖縄サミットを前にしての開催意義を強調しました。
会場正面の大型スクリーンには、日本のガンジーと称される阿波根昌鴻氏が映し出され、「九七年公開審理証言」が上映されました。
去る大戦で多くの島民が殺されるという悲しみを乗り越え、「乞食行進・座り込み土地闘争」の中で多くの県民から声援を受けたことが紹介されました。
続いて、でいご娘により「艦砲ぬ喰えーぬくさー」他数曲と、「乞食行進」に参加した平安山良有氏らより「陳情口説」等が披露されました。
シンポジウムでは、司会に筑紫哲也氏(TBSニュースキャスター)、パネリストとして、石川洋氏(わびあいの里理事)、大田昌秀氏(前沖縄県知事)、平岡敬氏(前広島市長)、宮良ルリ子(元ひめゆり学徒隊)、山内徳信氏(わびあいの里理事)が壇上にあがり意見が述べられました。
石川氏は、無抵抗の指導者阿波根氏自身が農民であり、草の根である民衆から平和を発信する意義を述べ、二十世紀で戦争は終わりにしましょう、と涙ながらに訴えました。
大田氏は、沖縄の常識は生きている。基地の現状を見据え、今こそ政治に理想・理念を大きく掲げることが大切、と強調しました。
平岡氏は、広島から核廃絶を訴えた活動を紹介。人々が平和に麻痺し、訴える難しさも指摘し、教育やマスメディアの重要性を訴えました。
筑紫氏は、このままでは憲法は変えられることになる。過去が遠くに追いやられていく中、歴史に学ぶことが大切と強調しました。
宮良氏は、ひめゆり学徒隊の忌まわしい体験を語り、沖縄では、過去と現在がつながっており、平和を訴え続けることを誓いました。平和のメッセージに取り組んでいる生徒らの事例を紹介しました。
山内氏は、「この文化センターはまぎれもなく基地の中です」と口火を切り、「世界には弱い者が強大な権力の壁を打ち破ってきた歴史がある。読谷村は、平和主義、主権在民を米国政府に訴えてきた。私たちは少数派では決して無い。地方分権を逆手に政府に平和の風を吹き込もう」と訴えました。