読谷の自然(53)鳥類【旅鳥】
草原のセキレイーマミジロタヒバリー(セキレイ科)
農耕地周辺や牧草地、埋め立て地など開けた草原地域で見られるセキレイ類で、秋季から冬季にかけて少数の群をなして飛来します。大きさは一八㎝でほっそりした体つきをしていて、薄い眉斑(びはん)が特徴的な鳥です。背中は全体的に灰色味のあるうすい褐色になり、枯れ草のある草原では目立たない保護色となります。
本種は草丈の低い草原などで尾羽を上下に振りながら歩き回り、昆虫類などをエサにしていますが、物音に驚くと胸を張るように立ち止まったり、電線や木立に飛び移ったりします。飛び方は他のセキレイ類同様、はばたきと滑空を交互に行う波状飛行を行い、鳴き声は「ビューン、ビューン」と二声ずつ鳴くことがあります。
村内では残波岬の草原地域と楚辺や渡慶次、渡具知などの海岸近くの草原で少数が見られることがあります。
(沖縄県立博物館学芸員 嵩原建二)