読村の自然(54)
鳥類【旅鳥】
灰色のセキレイ
~ツメナガセキレイ~(セキレイ科)
秋が深まっていくにしたがって県内では北方より飛来し、通過していく様々な野鳥が見られます。この鳥もそのひとつで、ユーラシア大陸の中部地域で繁殖し、冬季には東南アジアで冬を越すために南下し、琉球列島を通過していく旅鳥です。
本種の夏羽はキセキレイに似ていてますが、足はより長く、尾羽が短いのが特徴的です。また、腹部や胸部がキセキレイと同様に黄色になります。しかし、冬羽は全身目立たない薄い灰色になります。
本種は亜種が多く、眉斑が白いのがマミジロツメナガセキレイ、黄色くなるのがキマユツメナガセキレイ、頭部の灰色が濃く、小さな白い眉斑のあるのがシベリアツメナガセキレイなどといくつかの亜種に分けられています。
主に水田や畑地、草原地域、海岸、河川などに生息し、小昆虫を餌にします。村内でも渡りの途中に立ち寄り、渡慶次や楚辺などの農耕地、残波岬の草原などで小群で見られることがあります。
文・沖縄県立博物館
嵩 原 建 二
(備考:写真はマミジロツメマガセキレイ)