沖縄の美(12)読谷村立美術館収蔵品
黒釉指描耳付壺
金城敏男作。一九九〇年。高さ四二㎝、口径一五㎝。作者寄贈。
作者の金城敏男氏は、那覇市壺屋生まれ。一九五一年壺屋で作陶を始める。沖展、国展等に出品し数々の賞を受賞する他、各地で個展を開催。一九九二年沖縄タイムス芸術選賞大賞を受賞。現在沖展会員。壺屋の伝統を継承しつつ、素朴さと重量感のある独自の作風が高く評価されている。
この作品は、ウシチキー技法(ロクロ成形)で整えた形の全面に黒釉を流し掛け、釉が乾かないうちに指で手早く描く指描きの技法で唐草文様が描かれ、口の上面にはオーグスヤー(緑釉)が施され、味わい深い作品となっている。