読谷の自然(56)鳥類【旅烏・冬烏】
渡りをするヒバリ
~ヒバリ~(ヒバリ科)
本土では農耕地や河原などに留鳥としてふつう生息していますが、県内では秋季から冬季にごく少数が旅鳥や冬鳥として飛来するだけです。
大きさは一七㎝とスズメより大きく、全身薄い黄褐色で、頭部や背中、つばさの上面には薄い褐色の羽縁と黒みがかる褐色の斑紋があります。また、頭部には短い冠羽があり、採餌中に時々立てることがあります。
主に草たけの低い草原地域でみられ、草むらに隠れるように地上を歩き回り、小さな昆虫類や植物の種子などをエサにします。警戒心が強く、人やイヌが近づくと「ビュル、ビュル」と太い声で鳴きながら飛び上がり、別の場所に移動していきます。
村内では残波岬にある草丈の低い芝地で観察されたことがありますが、おそらく、毎年ごく少数が飛来して来るものと思われます。
文・沖縄県立博物館学芸員
嵩 原 建 二