石川文洋平和講演会を開催
軍隊がある限り戦争はなくならない
平和創造展の一環として十二月十三日には、文化センター講座室で「石川文洋が見た戦争の現実『戦争と平和』」と題して平和講演会が開催されました。
講演を前に、石川氏は「念願の読谷村で写真展示と講演ができることを喜んでいます。」とあいさつし、四歳の時に本土へ行き、沖縄戦時に沖縄にいなかったことがコンプレックスとなり、それがきっかけでベトナムにいったのかも知れないと述べました。
そして四年間滞在したベトナム戦争の実態、悲惨さを克明に語り「戦争は殺し合いであり、それ以外の戦争はない。」それを記録することができた。従軍カメラマンの目は軍と同じ眼であり、客観的に見ていない、本当の戦争をカメラに納めたかった。人間が一人死んでしまうことは、その人から生まれるはずの子や孫が生まれないことになる。ベトナムでは同じ民族が殺し合った。」と戦時中の危険地帯での実体験を話しました。
沖縄の基地問題について、「読谷村で行われたパラシュート降下演習は異常な風景で、そんな基地被害の痛みは本土にいて伝わってないと思う。また、最近の普天間基地移設の問題は地元を二分してしまい悲しい思いをしています。」と講演を結びました。
また、十四日には文化センター中ホールにおいて読谷中学校の三年生約三百人を前に石川氏が講演し、生徒たちは真剣な表情で聞いていました。
講演を聞いた生徒からたくさんの感想文が寄せられました。感想文の中で新垣美羽さんは、「一番かわいそうと思ったのが、かれ葉剤によって色々な障害が出た子供達です。頭の大きな子供や指が二本しかない子、腕がない子、ビンの中に入った子。とても悲しくなりました。石川さんが『大人が起こした戦争なのに、子供が被害にあう』というような事をいっていましたが、本当だと思いました。また、関係のない人を、心も体も傷つけるのが戦争だと思いました。石川さんがどこの海よりも美しいといってくれた 沖縄の海を、血で染めた戦争をどこの国でも起こしてはいけないとつくづく思いました。」と結んでいます。