読谷村の自然(57)
鳥類【冬鳥】草原の猛禽 ~ノスリ~(ワシタカ科)
冬季に農耕地わきの電柱によくとまっているサシバよりやや大きい猛禽類です。雌雄の大きさに差があり、雄は五〇から五三㎝くらいですが、雌は五三から六〇㎝とより大型です。
本種はユーラシア大陸に広く分布しており、冬季にはアフリカや南アジアに渡って越冬します。日本では北海道や本州、四国などで繁殖する他は、全国的に冬鳥として飛来します。
繁殖期には低山から亜高山の森林地域で暮らしますが、非繁殖期には、農耕地や埋め立て地などの開けた環境で見られます。
県内にも数少ない冬鳥として渡来し、農耕地や草原、林縁な開けた環境に生息します。主に小型の哺乳類であるネズミ類をエサにしているため、林縁や農耕地そばの枯れ木や木立にじっと留まり、エサの出て来るのを待ちぶせして捕らえます。
村内でも放棄されたサトウキビ畑や草原、荒れ地、原野などの開けた環境でエサを探す個体を時々見かけることがあります。
文・沖縄県立博物館学芸員 嵩 原 建 二