読谷の自然(58)鳥類【冬鳥】 腹の赤いツグミ
ーアカハラー
(ツグミ科)
冬季に飛来してくる代表的な冬鳥のシロハラとほぼ同じ大きさで、背中の色も同じオリーブ褐色でよく似ています。しかし、本種は腹部がだいだい色がかる褐色をしていることが大きく異なる点です。
生態的にも同じツグミ科のシロハラとよく似ていて、平地から山地の森林に生息し、木立で木の実をエサにしたり、開けた場所の地上に降りて、枯れ葉をひっくり返してミミズなどの小動物をエサにします。
本種はサハリンや南千島などで繁殖し、冬季には台湾や中国南部、フィリピンなどで冬を越します。日本では本州中部以北で繁殖もしていますが、冬季には本州中部以南で越冬します。
県内では繁殖することはなく、数少ない冬鳥として飛来してきて、海岸林や内陸部のまとまった森林などで越冬します。村内でも儀間や渡慶次の海岸近くの雑木林などでエサを探す個体を見かけることがあります。
文・沖縄県立博物館学芸員
嵩 原 建 二