読谷の自然(60)
昆虫類【トンボ類】2
~ムスジイトトンボ~
(イトトンボ科)
水生植物の豊富な池にすむ体長三〇㎜くらいのイトトンボです。雌雄で体色が異なり、オスは地色が鮮やかな淡青色ですが、メスは黄緑色です。和名は「六本の筋がある」の意で、メスの肩に左右三本ずつ合計六本の黒いすじがあることに由来します。
日本、中国南部、台湾、べトナムに分布し、国内では宮城県以南の暖地で見られます。沖縄県内のおもな島に分布していますが、生息場所は局所的です。
成虫は、ほぼ周年見られます。オスは水面の水草や浮遊物によく止まっており、飛ぶときは水面上を低く飛びます。交尾は水面の覆や水草に止まって行います。交尾の後、オスとメスがつながったまま水草に産卵します(イトトンボの仲間は、植物組織の中に卵を産みます)。時に植物をつたわって、水中に体を沈めて産卵することがあります(これを潜水産卵といいます)。ヤゴは水中の水草なとにつかまって生活しています。
文・沖縄県ミバエ対策事業所
小 浜 継 雄