読谷の自然(61)
昆虫類【トンボ類】3
~ ~(トンボ科)
大きさが二八~三五㎜のイトトンボの仲間で、雌雄とも胸部や腹部全体が赤い色をしています。沖縄では他に同じ色の糸トンボはいないため、
識別しやすい種です。
本種は県内各地でもふつうに見られるトンボ類で、九州の薩摩半島から琉球列島をへて、台湾、香港、中国大陸南部までの範囲にすんでいます。
主に水性植物が生い茂る湿地や流れのゆるやかな水路、河川、湧水池などに消息し沼地や水田地域などの止水的な環境でも見られます。こうした環境の草地や湿地に繁茂した植物などに、単独でとまっていたり、雌雄が連結して飛び回る姿がよく見られます。
村内でも期をつけて見ればサンジャーガーのような湧水池や比謝川のような河川沿いでふつうにみられます。
文・写真‥沖縄県立博物館学芸員 嵩原健二