読谷の文化財(3)
木綿原遺跡
木綿原遺跡は読谷村字渡具知の海岸砂丘にあります。遺跡前面の海はサンゴ礁が発達し、交付那魚介類が捕れるイノーとなっています。昭和五十二年の調査で今から約二千年前(弥生時代相当)の箱式石棺墓が見つかりました。この墓は沖縄で初めての発見で、墓・人骨ともに保存状況がよく、昭和五十三年に国指定史跡となりました。
箱式石棺墓は九州本土の弥生時代の墓を真似ており、墓の近くからは九州で作られた壺も出土しました。また、沖縄から九州に移出されたゴホウラ製腕輪の未製品も出土しており、木綿原遺跡は腕輪材料の産地とわかりました。
ゴホウラ製腕輪は白く輝き、九州弥生時代においては権威の象徴で、佐賀県吉野ヶ里遺跡の墓からも出土しています。
各地の発掘成果によると奄美・沖縄から腕輪の材料となるゴホウラやイモガイが九州に多量に運ばれ「貝の道」の頃の代表的遺跡です。
(文化振興課 仲宗根 求)