高知県の中学生が沖縄戦を追体験
五月二十三日、高知県朝倉中学校の二年生一五五人が文化センター講座室を主会場(他、瀬名波・大添公民館)に一二の班に分かれ戦争体験者の方々から戦争の話や基地問題について二時間にわたって学習しました。
この学習会は、生徒たちが体験者から直に聞き取ることで沖縄の人々の思いを肌で感じ、平和について考えるきっかけとすることをねらいとして実施されました。
オリエンテーションで山内徳信氏は「高知県の中学生の皆さんが読谷村を訪ねてくれて嬉しいです。読谷村も皆さんの先輩である坂本龍馬の逞しい実践力を学びました。当時高知から幕藩体制が見えたように、沖縄からは日本全体が見えます。」と歓迎しました。
この日、講師になったのは、山内徳信さん(前読谷村長)、渡久山朝章さん(元鉄血勤皇隊)、比嘉ヒデさん(ひめゆり学徒隊生き残り同窓生)、宮城巳知子さん(ずいせん看護隊生き残り戦争語り会長)、比嘉好子さん、国吉トミさん(戦争をゆるさない女性連合会)、山内徳永さん(沖縄戦全戦没者調査協力員)、山内昌順さん(宇座老人会長)、知念盛人さん(嘉手納基地爆音被害公平補償を求める会)、神谷嘉昇さん(元沖縄護郷隊)、儀保盛市さん(元米軍基地内勤務)、比嘉恒健さん(元楚辺クラガー会会長)の皆さんでした。
山内徳信氏は、窓から見える嘉手納・読谷飛行場を示し、基地被害の実態、少年期の戦争体験、読谷の文化を盾にした基地返還運動の実践を話し「軍隊は住民を守らない。赤ん坊の口をふさぎ窒息死が強要された」と実態を話し平和教育の大切さを強調しました。また、比嘉好子さんは、防空頭巾ともんぺの出で立ちで、学童疎開や蘇鉄地獄等、ひもじくて畑でいもを泥棒しましたなどとヤンバルでの避難体験を話しました。比嘉ヒデさんは友人が目の前で生き埋めになっていったひめゆり学徒隊の乙女たちの悲惨な体験を話し「今のように自分の意見を言える状況ではなかった」などと話しました。講師一二人がそれぞれの体験を話し、生徒らも熱心に聞き入り、メモをしていました。
キャプション ヤンバルでの避難生活を語る比嘉さん