読谷の自然(62)
昆虫類【トンボ類】4
~タイワンウチワヤンマ~
(サナエトンボ科)
体長七六㎜くらいの大形のサナエトンボ。体色は黒色で、黄色の縞模様があります。腹の先端近くがうちわ状に平たく広がるので、ウチワヤンマの名前があります。日本、中国南部、台湾からミャンマー、ネパールに分布します。
ダムや池にすむトンボで、沖縄県内のほとんどの島に分布しています。成虫の出現時期は四月から十一月。村内ではサシジャー(佐敷川)や長浜ダムで見ることができます。
オスは、水面からつき出した枝や岸辺の草に止まっており、ときどき、周辺をパトロールします。メスがやってくると、オスは空中でメスを捕まえて交尾します。交尾は飛びながら行い、数秒でオス・メスが分かれます。メスは水面の浮遊物や藻などに腹の先を打ちつけるようにして産卵します。卵には粘着のある糸がついているので、産みつけられた卵は藻や水草にからみつきます。ヤゴ(幼虫)は池の底の泥に浅くもぐって生活しています。
文・沖縄県ミバエ対策事業所
小 浜 継 雄