読谷村の文化財(4)比謝橋碑文
比謝橋碑文は読谷村字比謝矼にあります。
石碑の石材はいわゆるニービヌフニ(細粒砂岩)で、沖縄戦で倒壊されていたものを昭和三十九年に現在地に新たに建立されました。
碑文には次のような橋の修理や石橋の架橋にまつわることが記されています。
比謝橋は、昔、木製の小さな橋で、一六六七年と一六八九年にわずかに修理をするが、風雨で壊れたり、木喰い虫にやられたりし、人民は修理するのに大変苦労したとのことであります。又、橋は風雨時には滑って安心して渡れなかったため、石橋にしたとのこと。石橋工事は一七一六年に着工され、六か月余りで完成させたことなどが記されています。この碑文は一七一七年(康熈五十六年)に刻まれたものと思われます。
ちなみに比謝橋といえば女流歌人「よしや」の琉歌で有名ですが、この碑文からすると「よしや」は戦前まであったような石橋ではなく、石橋より古い木橋を渡ったといえそうです。
(文化振興課 仲宗根 求)