平和講演会
『逃げる兵』渡辺憲央が語る
渡辺憲央氏は一九一四年(大正三)生まれで、一九三三年に日刊工業新聞社写真部に入社後。退社後は「ベースボールニュース」の専属カメラマンを勤める中、四四年に応召し、四六年に復員。ワタナベスタジオを経営し、戦時中の体験をまとめた『逃げる兵』を執筆、亡き戦友への慰霊のため毎年六月に来沖しています。
六月十九日にふれあい交流館講座室において「『逃げる兵』渡辺憲央が語る」と題して平和講演会が開催されました。
渡辺さんは講演で、召集を受け「お前らの命は一銭五厘と同じ、兵隊に行くのは当たり前、お国のために死ぬんだ」と毎晩殴られたこと、沖縄戦当時旧日本軍独立高射砲第二七大隊で座喜味城跡の高射砲隊でのことや南部撤退そして敵前逃亡して渡った久米島で住民虐殺の模様を生々しく語りました。
講演では、渡辺さん(八七歳)の外に当時の元兵士の藤島巌さん(九一歳)や古川幸人さん(八三歳)も加わり、十・十空襲の虚偽の戦果報告、暁部隊の木造船を棺桶船と呼んだことなど人が人で無くなった悲惨な沖縄戦の模様、見聞きしたそれぞれの戦争体験を話しました。