座喜味城跡世界遺産登録記念
歴史民俗資料館講座を開催
座喜味城跡が世界遺産に登録されたことを記念して、七月二日、三日と連続で歴史民俗資料館講座「焼物とグスク」をふれあい交流館講座室で開催されました。
初日の講師は、金沢大学大学院の西野範子さんが「ヴェトナムの窯業村ーフーラン村について」と題して行われました。また、二日目は日本学術振興会特別研究員の西村昌也さんによる「ヴェトナム陶磁の伝統、そして琉球・日本列島への道」と題して開催され、喜名焼きのルーツに関係あるベトナムとあって文化協会のメンバーや村内のヤチムン関係者が熱心にメモを取るなど関心を寄せていました。
この講座開催の趣旨は、県内の発掘調査でグスクから中国製陶磁器やベトナム製陶磁器・タイ製陶磁器が出土しており、これは大交易時代に先人が東アジアを駆けめぐった痕跡であります。読谷村には、座喜味城跡出土の中国製・東南アジア製陶磁器や喜名焼・読谷山花織の文物があり、古くから東南アジアとの関係が考えられることから、この講座が企画されました。
西野範子さんは、ヴェトナムの窯業村フーラン村の歴史を紐解き、スライドを通して作陶の過程、フーラン陶器の流通を紹介しました。
西村昌也さんは、ヴェトナム埋蔵文化財保護基金代表の立場から考古学の解説に始まり、先史土器から世紀を追って、海外交易の最も盛んであった十五世紀の特徴や、十七世紀の朱印船貿易で茶道具として伝わった陶磁器等について詳しく解説しました。