読谷の自然(65)
昆虫類【トンボ類】7
~オオシオカラトンボ~(トンボ科)
大きさが四〇から五〇㎜前後のトンボで、雄は成熟すると全身青みのある色になり、胸や腹部に白い粉を帯びます。雌は雄と異なり全身黄色味のある色になります。
本種は中国北部から中部、朝鮮半島、日本全土、台湾、東南アジアと広い範囲に分布し、県内では、沖縄島や石垣島、西表島、与那国島に分布しています。
成虫は主に山地から平地にある森林地域に生息し、ヤゴは森林内の開けた場所にある水たまりや池、湧水池などに生息します。
成熟した雄はなわばり性が強く、なわばり内を飛び回ったり、水辺の草などにとまって、なわばりを守ります。交尾はなわばり内の木立の枝先や葉上、草などにとまって行われ、その後雌のみで、水面をたたくような打水産卵がくりかえされ、卵は水中に産み落とされます。その間、雄はその上空をホバリングするように飛び続け、雌を守ります。
村内でも伊良皆のサシジャーガ、長浜川などのような森林地域に近い水辺で、三月頃から十一月頃までふつうに見られます。
文・写真:沖縄県立博物館学芸員 嵩原建二)