読谷村の文化財(7)
宇座の西井(イリガー)
宇座の産井です。出産があると生まれた赤子を浴びせるための産水をここから汲みました。
宇座では産後の何月か後には、大抵、産児の祖母によってカーウリーがおこなわれました。カーウリーは出生児が男である場合は女の子に、出生児が女である場合は男の子に鎌を持たせ、カーまでの道のりを先行させました。その際、先行する子は後ろを振り向いてはいけないとされていました。後ろから行く祖母は産後の汚れ物とワラタイマツを持ちました。カーでは出産の報告と加護を祈願します。
ここイリガーの東側には正月の若水を汲むアガリガー(東井)があります。イリガー、アガリガーともに切石を丁寧に積んだもので、上からみると半円で美しい形をしております。村内でも保存状況が良好な石造物で、昔の石工の技術の高さが今に伝わってきます。
(文化振興課 仲宗根求)